ファミリータイズ鍼灸院 院長の舟橋です。
最近、私も「腸活」を始めまして、自分の体で色々試しています。
今回の内容は、「腸とストレス」について
腸はとてもデリケートです。特にストレスが絡むと、便秘や下痢などの症状を起こします。
過敏性腸症候群(IBS)などもこの症状に当てはまります。
では、東洋医学では上記の症状をどう診るのか。さっそく見ていきましょう!
1、腸とストレス〜疏泄・運化がキーワード〜
「疏泄」は、肝の機能
「運化」は、脾の機能を指します。
1−1 「疏泄」とは、よどみなく目的の場所に巡らせる機能
「指を動かそう!」 と思えば、その意志は指先まで至り、動かすことができます。
「あれを見よう!」 と思えば、その意志は目までスッと至り、見ることができます。
「排便したい!」 と思えばスッと排便できます。
肝の疏泄が正常ならば、全身の気や血流のめぐりが順調で、感情・情緒が安定します。
1−2 「運化」とは、飲食物・栄養分・体液を全身に染み込ませる機能
腸でいうところでは、ジワジワと肛門に向けて動かす力のことです。雨が降ると土に染み込み、植物の深い根があるところまで染み込むイメージをしていただければ良いと思います。
1−3 「運化」には、体液の代謝を維持する機能もある
運化には、体液をむやみに外に漏らさない働きもあります。つまり、水を留める力。
植木鉢の土は水をしっとりと含み、流れ落ちてきません。それは、土が適度に柔らかいからです。ジャージャー流れ出たり、ポタポタと落ちたりするのは、この運化機能の弱りです。砂土だと流れ落ちます。粘土だと溢れ出ます。脾は土に例えると理解しやすくなります。
2、ストレスがあると便秘になる?下痢になる?
2−1 肝からみた腸のトラブル
先ほど説明したように、肝には「疏泄」という機能があり、
それは「よどみなく動かし進むこと」です。
進む方向が正しければ、肝が正常であるということです。
進む方向が誤っていれば、肝が異常であるということです。
この異常は、イライラ(怒り)、クヨクヨ(悩む)という感情により引き起こされます。
2−2 正しい疏泄と誤った疏泄
車が一定の速さでサーキットコースをスムーズに走る様子をイメージしてください。
これが正しい疏泄です。途中で行き止まりがなく、無限に進むことができます。
車は、進む方向が間違っているとサーキットの周回からコースアウトします。
はみだした道は、一時的に「A:楽に進める」ように思えても、いずれ壁にぶち当たり「B:行き止まりになる」という結果を来します。
これが誤った疏泄です。誤った疏泄は、誤った方向にスッと進んでしまいます。
2―3 疏泄太過(そせつたいか)と疏泄不及(そせつふきゅう)
「A:楽に進める」状態を疏泄太過といいます。
スピードオーバーによるコースアウトです。
「よどみなく動かし進むこと」が変な方向に狂います。
「B:行き止まりになる」状態を疏泄不及といいます。
いわゆるクラッシュです。
「よどみなく動かし進むこと」ができなくなります。
疏泄太過によって、下痢が出ます。
疏泄不及によって、便秘となります。
2−4 肝から脾への八つ当たり
異常な肝は、誤った方向に疏泄 (八つ当たり) しますが、最も影響を受けやすいのは「脾」です。
「肝気横逆」という言葉があります。肝のすぐ「横」には脾があります。
この脾を、肝は助けるのが「順」です。仮に、脾が妻で、肝が夫と考えてみましょう。
これを「逆」に攻撃してしまう。これが肝気横逆です。
その結果として生じた肝実脾虚の病態を「肝脾不和」といいます。
もともと肝には、「よどみなく動かし進む機能」があります。
これが狂うと、よどみなく動かしてはならないところを「よどみなく」行います。
すぐそばにいるパートナーに、よどみなく拳をあげる。ためらいなくDVを行なう。
ここで、脾がそれを阻もうとする。すると肝の八つ当たりはできなくなり滞ります。
それが「疏泄不及」です。便秘になったりします。
もし、ここで脾がそれを阻めない。すると「よどみなく動かし進む機能」が負の力として作用し、よどみなくお腹が通る「下痢」になります。
前者は、脾が押さえつけられています。
後者は、脾が機能しなくなっています。
2−5、脾から見た腸のトラブル
脾の運化機能には、 「動かす力」と「留める力」がありました。肝はこれを攻撃し、弱らせます。
1.留める力が弱まると、ダダ漏れ(下痢)になります。
2.運化は (大便が肛門に向かって) 進む力が弱まると、便秘になります。
いかがでしたでしょうか。
今回は、腸とストレスについて、東洋医学的な「肝」と「脾」に焦点をしぼって説明しました。
ストレスが長引くと、体が傷つきます。その傷口がふさがらない状態だと、些細なことが大きく心にダメージを与えます。その大きなストレスが、さらに体に負った傷口を広げるのです。
このような悪循環を断つためには、体から治療することが近道となる場合があります。
もちろん、心からアプローチするほうが近道の場合もあります。
心と体は陰陽で、どちらに偏っても良い治療とは言えません。
気持ちの問題としてのストレス、そしてそれが体とどのように関わり合うのか「心身一如」です。
なかなか治らない下痢や便秘でお悩みの方は、
名古屋市千種区春岡のファミリータイズ鍼灸院にご相談ください。
過敏性腸症候群(IBS)に関しては、
【対応症例】過敏性腸症候群(IBS)でお悩みの方へ をご参照ください
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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